よかれと思って大惨事

感情と思考の供養

やっときゃよかったお勉強

英語がわからない。まったくと言っていいほど、英語がわからない。そもそも日本語だってよくわかってない。間投詞とはなんであるのか。連体形が何を連ねているのか、恥ずかしながらわかっていない。文章を読んだり会話をしていて、(あっ!これ連体形だ!)と意識したことがない。それなのに、ましてや英語など分かるわけがない。コンプライアンスはなんとなく概念を理解しているが、フィックスなどと言われても、ああ、狐の発音がえらくネイティブな人だなぁ。と思ってしまう。あとペンディングとか言うな。保留と言え。淫靡な言葉かと思っちゃうだろややこしい忌々しい。

そのくせ、洋楽を聴く。英語はI amのレベルなのに。I have a pen.のレベルなのに。I have a pen pineapple apple pen.のレベルなのに。ちなみにスペルは合ってますか?それすらも怖い。怖くて一度調べてしまった。

洋楽を聴くけれど、当然歌詞は全然わからない。ただ格好いいとか、いい音かどうかということしかわからない。だから「ママの膝枕が最高だぜ〜」とか「暑は夏くてかないまへん♪」みたいなしょーもない内容でも、僕は「最高にcool!!!」って言っちゃうってことです。英語がまったく分からないから。

 

ある日、お勉強のできる友人に「the musicってバンドが最高にイカしてんだぜyeah!!」と勧めたら、数日後に「歌詞もいい」とか言い出して。なんなら「何曲かなら歌える」とか言い出して。実際車の中で口ずさみ始めて。もうこっちなんか必死の形相で鼻歌ですわ。「あー、ハイハイ。ババンババンバンバン♪」って。いやわからんよ。僕の知っている英単語なんてベーコンレタスバーガーだけなんだから。つまり友人が「アルミ缶の上にあるミカン〜♪」ってふざけて歌っていても、僕は気付かずに「すげーな!」と言っちゃう。

 

youtu.be

The People/the music

 

この友人と仏像なんかを見に行ってもそうだ。作成された年には日本でどんなことがあったかというのを絡めて見られるから、僕よりも楽しむ幅というか窓口を多く持っている。解説を聞いていても面白いし、わからないとすぐ聞いてしまう。そのくせ、変なプライドというか、男は嘗められたくないもので、ちょっと知ったかぶってしまう。「あー、なるほど」と言われたくなってしまう。

 

数学に関しても同様で、友人に数学を取り扱った「はじめアルゴリズム」という漫画を読ませた時に、なにやら熱心に数式を追っていて、読了後には上機嫌だった。理系だったくせに恥ずかしいほど数学がからっきしだった僕は、単純に話としての面白さしか追えなかったと思い知ったのは、感想を言い合ったときだった。

博物館や展示会に行っても、解説者として付いてきてもらうと、悔しいくらいにわかりやすく楽しくなってしまう。そして、勉強しておけばよかったという意味が、何度も頭をよぎってしまう。

 

恐らく、一生使わないと思っていた知識は多角的な見方だけでなく、理解の深度を促進させるのだろう。そしてそれは物事を繋げ楽しむ余地を与えてくれるに違いないのだ。僕は勉強ができない。