ここ数年くらい、むちゃくちゃね、探してるんですよ。あれー??って。おかしいなーつって。一応ね、まぁないとは、ないとは思うんだけれども、机の中も、鞄の中もね、探したんですけれど。やっぱりない。わかってたけどね。だって机の中とか鞄の中から見つかったら怖いもん。ちょっと大丈夫なの?これ本当に大丈夫なの?おかーさーん!これ鞄の中から出てきたけどー!!大丈夫なのー!?ってなるし。すごい確認しちゃうもん。そんなところから出てきたら。でもどこにもないのも変だなーって。夢の中まで見てみたんですけれどもね。ないんです。どこいったんだろ、僕の人間関係。あ、辛うじてあったようなものも、ほとんどなくなっちゃったのか。
そこで僕はひらめくわけですよ、パッとね。頭の回転は速いと上司にも言われるほどですから。ないなら作っちゃえばいいじゃんって。人間関係なんてDIY感覚でサクサクッと作っちゃおうと。
そして、どうせ作るなら彼女を。と。DIY感覚で。ないとアレだし、さ〜つくっか~。みたいに。
レシピは父上が昔、怪我して痛がっている僕に「痛いと思うから痛いんだ」と言ったのを思い出したので、これを使います。つまり、これは逆説的に、『彼女がいると思えばいる』ということにもなるわけですよ。『記憶は妄想に変わる』のならば、また逆もあって然り。『妄想は記憶に変わる』ということです。これだと彼女がいたという記憶だけになってしまうということになりますけど、細かいことは気にしない。寂しいからそんなことは見えない。泣いているから。
ということで、彼女がいると思い、生活してみたわけです。ある種の人体実験です。これが成功すれば、僕の乾ききった生活に、彼女という潤いを導入できるわけですよ。
折り畳み自転車を買って1年くらい経つのだけれど、10回も乗っていない。今度彼女が欲しいって言ったらあげようと思う。
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年10月23日
上司に飲みに連れていかれて帰りが遅くなって、帰宅したら連絡のないことに彼女がちょっと怒ってたんだけど、怒った顔も可愛いので見とれてたら聞いてるのかとまた怒られたんだけど、結局ご褒美なんだよな。俺だって本当は早く帰ってきたかった。
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年11月1日
彼女の寝顔が綺麗なので、早く昼寝しないかなと思ってる
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年11月5日
「このぬるっとした肌寒さ、結構好き」って彼女に言ったら「出掛けやすくていいよね」って言われて禿同だし、「三日月が綺麗ですね」って言葉もハモってこの人最高だなと。
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年11月5日
「明日は流行りにのって、スーツのジャケットに袖を通さず肩にかけて通勤します!」と彼女に言ったら、これでもかってくらい無視されたんだけど、横顔が完全に可愛かったので「うるさくしてごめん」と謝罪させていただいた。
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年11月7日
彼女に「ねぇなんでそんなに可愛いの?ちょっと意味わかんないんだけど!」とキレ気味に言ったら、「そういうとこだよ。もうちょっと分かりやすく褒めてよ」と言われて、グヌヌ……となりました勝てねぇなぁ。
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年11月9日
疲れて家に帰り、「たでーま」と言うと「おけーり」と返してくれる彼女の可愛さたるや、筆舌に尽くしがたい。
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年11月11日
彼女がどんどん可愛くなっていくので、「どうしたどんどん可愛くなって、恋でもしてんのかこの」と言ったところ、「何言ってんの」と言った彼女の口元がにやけていて(かっ…可愛い……)となったのが今日のハイライト。
— 鈴木幇間斎 (@happy_diet12) 2016年11月15日
姿形はリアリティをもたせて想定済み。もう最高に可愛いんですよ。表情とか。たまんねぇんだよ。ずっと見ていたくなる。コーヒーでも飲みながら、ぼんやり眺めていたい。読書していた彼女に「ねえ、なに見てんの」とちょっと不機嫌に言われたい。
その彼女と我がセミダブルベッドで寝るわけです。そこそこいいセミダブルです。それで僕は可愛い可愛い彼女を優しく抱きしめてしまうわけです。
んで気付くわけですな。これ枕だと。なんかおっさんみたいな臭いするし。
加えて思い出すわけですな。父上は「痛いと思うから痛いんだ」と言ったけど、僕は「痛いから痛いと思うんだ!!」って半べそで言い返したことを。
結局彼女はできなかったし、僕の寂しさは深みを増したわけです。幼少の頃、父上に反論したことは間違ってなかったんだ。寂しさがアメリカンからエスプレッソに一気に増したぼくは、妄想の精度上げないと。とポロポロこぼれる涙を拭いながら思うわけです。