よかれと思って大惨事

感情と思考の供養

よかれと思って雨に唄えば

おい!要求通り買ってきたぞ!娘は!娘は無事返してくれるんだろうな!


今日のTOKYOは晴れ間の見える曇りでした。
最近秋らしく突き抜けるような気持ちのいい晴れが続いたので、これはこれでいい天気だと思ったんですよ。気温は少し肌寒いくらい。北の方では雪が降ってきたとは思えないくらいの過ごしやすさで、眉間にしわを寄せつつのんびりと出勤。メールをチェックしてから異動の挨拶も兼ねてお客さんのところへ顔出しにいったんです。シャレオツでナウで、ナウでなんかこう、地下鉄でもサングラスしているような人がたくさんいて、いかにもな感じでジャケットを肩に乗っけてちっさい犬に服を着せて散歩している人がはびこる街、麻布へ。

 

田舎者気質の抜けない僕がビクつくような都会、多分格好いいんだろうよく分からないけど。ここらを堂々と歩ける人が羨ましい。なんでジャケットに袖を通さねえんだ袖を引き千切って差し上げましょうかコノヤロー。引き千切った袖で新しい服をこさえて差し上げようかしら。そしてこの時期にサングラス?スティーヴィー・ワンダーか?鈴木雅之か?オシャレはわからん、"あえてはずす"みたいなやつが特にわからん。そんな感じで最先端のオシャレに怯えながらお客さんの所にたどり着いて、受付のハーフっぽいお綺麗なチャンネーにいつも通り鼻の下を伸ばして。担当の方にお礼とご挨拶をしてにこやかに客先を後にしてから、オシャンティー・シティ麻布を少しぶらついて時間をつぶしました。


ここまでは完璧だと思っていたし、相変わらずまったく仕事したくないからこのまま帰ってしまいたかった。最悪、定時まで適当に散歩して時間を潰そうかと思ったんだけど、異動の引き継ぎもあったのでひとまず会社の最寄駅へと移動して。会社に戻りたくない最後の抵抗で、近くのコンビニへ入る。コンビニに寄ったのはサボる以外にもう一つ理由があって、傘を探していたからです。

僕は傘が嫌いで、持たずに家を出ては出先でビニール傘を買って
傘を持って出て行っては無くしてしまうようなラブリー&チャーミング人間なんですけど、今回は自分用じゃなくて地方に住む友人に傘を頼まれたんです。
むしろ、それを探すのがメインでコンビニに寄りました。

こんな感じの。

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まあ!なんて可愛いんだ!僕にぴったりだぁぁ〜〜!
うわぁ〜い!これで年上豊満美女にモテまくること間違い無しだ!
よーし!ヒモになって優しく養ってもらうぞぉ〜!
お小遣いちょ〜だい!エヘヘ!


そんなことを考えながら疲れ切ったオッサンが、ディズニーの傘を買うわけですね。レジはおばちゃんと若いチャンネーの2人。どう考えてもおばちゃんのレジで買いたい。若いチャンネーはなんか恥ずかしいから。まあどっちにしろ僕が出て行った後に「見た?あの気持ち悪い男、ディズニーの傘買って行ったわよ。私ペイントボール投げそうになったわ〜」みたいなことで盛り上がることは目に見えているけど、それでもどちらかといえばおばちゃんの方が、僕のダメージが少ない気がする。若さは往々にして凶器になるから。

しかしおばちゃんのレジは空かない。

会社の近くなのでコンビニに長居しているところ、ましてや可愛らしい傘を持っているところを会社の人に見られたくなくて、泣く泣くチャンネーのレジへ。

ここで、傘の柄を拡大しましょう

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うん、やっぱり可愛い。僕が持っていたら事件性を疑われそうなくらい。 

 

レジへ恐る恐る出すと、オネーチャンは二度見した挙句、小声で「ビニール、お取りしますか…?」と聞いてくれました。不審者だと思ったのかな?僕と喋りたくなかったのかな?ん?まあ逆の立場でもそうするけど。僕はなるべく怪しまれないよう、力の限り爽やかに「ハハハ、いや何、大丈夫ですよ!」と言ったんだけどチャンネーはずっと下を見たままだった。下に何かあるのかな?アリの行列かな?僕はその時、なぜか監視カメラを睨みつけていました。涙目で。


まるでエッチなビデオを真面目な映画で挟んでレジに持っていく高校生みたいに、この可愛らしい傘を練り梅3袋で挟んで、いや確かに隠しきれてなかったどころか傘買ったおまけみたいでしたけど、とりあえず挟んで買ったので、会社に帰って練り梅食べながら見積もりを作りました。口の中を何度も何度も噛んで、そうしたらバケツをひっくり返したように涙があふれてきました。こんな可愛い傘では多分防げないくらいの大粒の血の涙が。


帰りの電車ではいよいよ隠せないので、必死にキラキラした柄の部分を男らしく持ちながら、頭の中で(これは娘にせがまれて仕方なく…これは娘にせがまれて…これは…)と設定しているうちになんだか本当に娘にあげる気がしてきて、愛着が湧いてきた。
…いや……これは夢じゃなく……娘にあげるために買ってきたんじゃなかったか…?
いや、絶対そうだ!そうなんだ!これは年上豊満美女と僕の間に生まれた5歳の娘のために買ってきたんだ!!
そうだ、そっちが現実だったんだ!このパラレルワールドから早く抜け出さなきゃ!
そして僕は妻である年上豊満美女のヒモだから、明日は会社に行かなくていいいいいいいいいいあああああああああああおおおおじちゃあんとぅらあああいいいいい!!!
寝る!!