よかれと思って大惨事

感情と思考の供養

ほろ酔い便

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自炊することが多くなった。自分で作ったものを食べていると、何を作ってもなんだかいつも同じ色、同じ味だなと思う。どんどん作るのが飽きてくる原因のひとつだ。

味覚と言えばネットでも話題になった、5/3に放送されたサザエさんのノリスケほろ酔い便。

以下概要。

磯野家に1本1万円するというウイスキーを持参したノリスケ。サザエやカツオは怪しむものの、波平とマスオはそのウイスキーを飲みながら美味しいと絶賛。

しかし後日、タイコが”高級ウイスキーの瓶に安価な酒を入れたもので、波平たちへのイタズラだった”とサザエに告白。謝罪に本物の高級ウイスキーを渡す。

味のわからない波平たちに呆れたサザエは、高級ウイスキーを安価なウイスキーの瓶に詰め替える。それを飲んだ波平たちは「悪くはないが先日の味には負ける」「何か一味足りない」と酷評。「もう高いお酒は必要ないわね」とサザエはネタばらし。フネは「2人とも瓶のラベルを味わっていたみたいですね」と一蹴する。

 

ダ・ヴィンチニュースより抜粋『サザエさん』愉快犯ノリスケの“イタズラ”が酷すぎる?「安定の外道」 | ダ・ヴィンチニュース

 

のちにノリスケは何者かに背後から硬い瓶で殴られて重傷を負うとか負わないとか。伊佐坂先生が容疑者として捜査線上に上がるとか上がらないとか。多分原稿の取立てから口論になったんでしょうね。

外装まで含めて商品とは思うけど、怖いなあと思う。何が怖いって、同じ状況になったときに自分が気付ける自信がない。毎日同じような味のものを作って食べているのだから。

今まで遊びで利きビールやら利き日本酒やら利きレモンサワーやら、挙句は利き水なんてのをやってきたけど、まああまり戦績が良くない。水に至っては「ボルヴィックを外すわけがない」と豪語したくせに間違う始末。味覚がオンチなんですね。味蕾がすべて死んでいる。舌が平ら。さすがに恥ずかしい。

いずれ格付けチェックに出たとしても、このままじゃすぐに消えてしまうだろう。間違いたくない。海原雄山ばりの、あるいはGacktみたいに見分けられる舌を持っていたい。

 

調べてみると味覚の発達は12歳までらしい。終わりだ。もう考え方を転換するしかない。味蕾もないままだし。高いもの食べたときだけ「うまい…」と呟いておけば、なんとなくそれっぽくなるだろう。価格がわからないときは「なるほど…」だな。

友人になんでも美味しいと言って食べる人間がいる。そういう人間と食事をするのは楽しい。友人は「普通・美味しい・マジか…」という3段階で表現をする。「マジか…」は美味しさに感激して頭を抱える状態。友人はよくこうなる。そんなことあります?逆に味蕾なくない?

「高級・安価」が正確な味覚のひとつの指針にはなるんだろうけれど、それよりも能書きを垂れ流さずに、安酒にただ美味しいと言える人間になりたいものだなと思う。好きなものを好きというのは少し照れるけれど。「うまさを語ると野暮になる」とか言ってストールでもねじりながら。