よかれと思って大惨事

感情と思考の供養

なにがガツンだ

アイスが好きで年中食っている。春夏秋冬である。ハーゲンダッツのようなアイスクリームやアイスミルク、ラクトアイスも好きだが、頭ひとつ抜きん出て好きなのは氷菓だ。口がさっぱりするからである。

今夏、いつも通りにガツン、とみかんを食べていたところ、周りに食べたことがないという人たちがおり、これほど悲しいこともあまりないと大枚をはたいでご馳走してさしあげた。2019年なのにガツン、とみかんを食べたことないなんて。ガツン、とみかんはうまい。本当に赤城は偉い。一時期うまいと思うアイスがことごとく赤城製で『赤城はえらい』が口癖になったほどだ。赤城、えらい。

 

しかしどうだ。こう寒くなってきてはガツン、とみかんを見るのも辛い。今も冷凍庫にはみかんがガツンと鎮座している。秋冬食えるか。ガツン、である。鈍器で頭部を殴られたような音がするではないか。深夜に3本たて続けに食べたところ、頭の中枢を鈍い痛みが駆け巡った。あのとき私は一人きりの部屋で「みかんだ!!みかんに殴られた!!おのれみかんめ!!」と絶叫し、隣人に壁ドン、いや、壁ガツン、とされたのである。

 

昔、周りの大人たちはソフトクリームのバニラ味を食べていた。子供ながらに、こいつらはわかっていないと思った。チョコ、もしくはミックスであるべきなのにと思っていた。いや、それよりもガツン、とみかん。そう思いながら、僕は今、バニラ味のアイスクリームを食べながらこれを書いている。ウイスキーをかけたりして。お洒落過ぎやしないか。ちなみにウイスキーにはバニラが合う。キティちゃんサンダルとスウェットのヤンキーくらい合う。

 

味覚といえば僕は辛いものが好きだ。辛いものがあれば、つい手を出してしまう。しかし辛いものが好きだというと、『どれくらい辛いものを食べられるか』という話になる。これについては苦いという味覚にも近いことが言える。変なマウントだ。聞いた本人は純粋に気になって聞いている。これが『しょっぱいもの』だとどうだろう。どれだけしょっぱいかという『限度』ではなく、どの程度口にするかという『頻度』にならないだろうか。何にでも醤油を使う。これは好きでいいだろうが、大量に醤油を使うというのは、好きではなく味覚バカに近い。

変なマウントを取ってくる小うるさい輩には、カッチカチに凍らせたガツン、とみかんでぶん殴ってやればいい。みかんを赤く染めあげろ。