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脳内彼女で大惨事

ここ数年くらい、むちゃくちゃね、探してるんですよ。あれー??って。おかしいなーつって。一応ね、まぁないとは、ないとは思うんだけれども、机の中も、鞄の中もね、探したんですけれど。やっぱりない。わかってたけどね。だって机の中とか鞄の中から見つかったら怖いもん。ちょっと大丈夫なの?これ本当に大丈夫なの?おかーさーん!これ鞄の中から出てきたけどー!!大丈夫なのー!?ってなるし。すごい確認しちゃうもん。そんなところから出てきたら。でもどこにもないのも変だなーって。夢の中まで見てみたんですけれどもね。ないんです。どこいったんだろ、僕の人間関係。あ、辛うじてあったようなものも、ほとんどなくなっちゃったのか。

 

そこで僕はひらめくわけですよ、パッとね。頭の回転は速いと上司にも言われるほどですから。ないなら作っちゃえばいいじゃんって。人間関係なんてDIY感覚でサクサクッと作っちゃおうと。

そして、どうせ作るなら彼女を。と。DIY感覚で。ないとアレだし、さ〜つくっか~。みたいに。

 

レシピは父上が昔、怪我して痛がっている僕に「痛いと思うから痛いんだ」と言ったのを思い出したので、これを使います。つまり、これは逆説的に、『彼女がいると思えばいる』ということにもなるわけですよ。『記憶は妄想に変わる』のならば、また逆もあって然り。『妄想は記憶に変わる』ということです。これだと彼女がいたという記憶だけになってしまうということになりますけど、細かいことは気にしない。寂しいからそんなことは見えない。泣いているから。

 

ということで、彼女がいると思い、生活してみたわけです。ある種の人体実験です。これが成功すれば、僕の乾ききった生活に、彼女という潤いを導入できるわけですよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 姿形はリアリティをもたせて想定済み。もう最高に可愛いんですよ。表情とか。たまんねぇんだよ。ずっと見ていたくなる。コーヒーでも飲みながら、ぼんやり眺めていたい。読書していた彼女に「ねえ、なに見てんの」とちょっと不機嫌に言われたい。

 

その彼女と我がセミダブルベッドで寝るわけです。そこそこいいセミダブルです。それで僕は可愛い可愛い彼女を優しく抱きしめてしまうわけです。

んで気付くわけですな。これ枕だと。なんかおっさんみたいな臭いするし。

加えて思い出すわけですな。父上は「痛いと思うから痛いんだ」と言ったけど、僕は「痛いから痛いと思うんだ!!」って半べそで言い返したことを。

結局彼女はできなかったし、僕の寂しさは深みを増したわけです。幼少の頃、父上に反論したことは間違ってなかったんだ。寂しさがアメリカンからエスプレッソに一気に増したぼくは、妄想の精度上げないと。とポロポロこぼれる涙を拭いながら思うわけです。