梅雨だからかもしれないけど、なんとなく気分が晴れずに生活が乱れています。例えばリモコンをそこらに投げっぱなしにしたり、洗濯物を畳まずにそのままにしたり。人間、そういうときにミスが起こりやすいんだろうなと思ったんですよ。
最近仕事が暇なくせに、忘れてたんですよ。落語のチケットを取っていたことを。チケット取ったのが3ヶ月くらい前だからね、仕方ないよね。
そういうことで先日、亀有に落語を見に行ったんですよ。僕の大好きな柳家喬太郎師匠を見に亀有に。こち亀の。友人を誘っていたんですけど、忘れっぽい僕はおろか、記憶力のたくましい友人でさえもすっかり忘れてしまっていたんですね。
会社でビシッとスーツに着替えてから行こうと思ってたんだけど、着替えているうちに気づいたんですよ。カバンもロッカーも血眼になって探したんですけどね、ないんですよね。靴下と肌着が。
苦肉の策だったけどYシャツを素っ裸に直に着て、スニーカーソックスそのまま、会社を忍者のように駆け抜ける。動いたときの、隙き間を縫ってくるあれは多分、風。
こうなると、まあだいたい分かると思うんですけど、動くたびに主張するんですよね。
足元の石田純一が。
そしてまあだいたい分かると思うんですけど、透けるんですよね。
乳首が。
こういうときに限って、ジャケットがないんですよね。夏だから。胸元には燦然と輝くツーポイントことチクビ。おじさんのチクビ、どう?見たくないでしょ?そして石田純一だとも思われたくない。
駅にあるユニクロに向かうため、異常な猫背でエスカレーターに乗ったんですよ。あんなにエスカレーターが長いと思ったのは初めてかもしれない。
やっとユニクロについておしゃれ店員の「いらっしゃいませー!」に怯えながらエアリズムの肌着と靴下3足を手にしたんですけど、気づいたんですよね。
靴下のタグか切れないことに。
胸元のツーポイントのアクセントを美人店員に晒しながら「ア…アノ…靴下一つ……タグ…エット……」と言ったときの美人店員の表情たるや。
あれは完全に変態の石田純一を見る目だった。あんな屈辱的な目で見られたのは初めて。
結局時間がなくて靴下だけ履きなおして、スッケスケのまま25分を耐えて会場の亀有に。駅降りてすぐの交番に怯えながら、なんとかトイレに駆け込んで汗だるまになりながら肌着をましたとさ。
それ以降のことはまったく覚えていません。でも喬太郎師匠は最高に面白かったです。しっかりしたいね。